一人経理の独り言

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freeeの歩き方(基礎編)

目次

これはなに

freeeをこれから使用したい方向けに、
実際にfreeeはどういう風に使用する会計システムなのかを紹介します。

というのも、きっかけとなったtweetを見て、
確かになと思ったからです。

確かにfreeeの使い方はよく聞かれるし、
どう使うべきなんかを書いてある記事などを知らないんですよね。

私は一応freee認定アドバイザーですが、
顧客は一人も持っていないので、あくまでも私が勤務している企業で
どう使っているかという話をします。

単なる一例なので、「この使い方はおかしい!」と思う方々は
ぜひご指摘ください。私も知りたいです。

以前の記事である 「freeeの良いところ/弱いところを考える」は、
私の主観バリバリで話しましたが、今回は比較的淡々と書く予定です。

書いていたら結構なボリュームになりそうだったので
タイトルを急遽(基礎編)にしました。

振れていない部分に関しては、別途どこかで書きますね。

なお、キャプチャしている画像は認定アドバイザーアカウントなので、
一部バージョンによっては皆さんのお手元とは違うこともあるかと思いますがご了承ください。

freeeの設計思想

freeeでググると、開発秘話やら色々出てきますが、
バックオフィス業務を自動化する!みたいなことがよく出てきます。

これはfreeeの各機能に如実に出ていて、
従来のソフトと同じように全て振替伝票で切ってしまうと詰みます。

ここを知らずにfreeeを導入してしまうと、以下のような声になってしまうのです。

  • 複式簿記ではないから使えない
  • freeeは個人事業主向けだから、経理には使いにくい

そもそも複式簿記ではない会計システムはないし、
慣れればこれほど簡単に仕訳が切れるシステムもないと思ってます。

ただ、確かに最初は慣れがいる

ので、次から実際に機能について書いていきたいと思います。

振替伝票は極力使わない業務設計にする

おそらくここが一番、従来の会計ソフトと違う点です。
freeeのタブを見ると、なんで使うべきじゃないかっていうのがよくわかると思います。

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タブ

振替伝票の機能を使うためには、「決算」タブを経由しなければいけません。

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これは開発者の「振替伝票はイレギュラーしか使うなよ」という
決意の表れかと思います。

まあ、全く使わないというのは厳しいのでぼちぼち使うことになりますが
日常の仕訳を切るところではないということです。

通常のルーティンの仕訳は「取引」から切ることになります。

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取引

次から実際にどのように使うか説明していきます。

まず口座を登録しましょう

四の五の言わずにまず口座です。
口座とはfreee独特の機能の一つだと思います。
例えば、銀行口座を作成すると、銀行の取引データがインポートされるようになります。
この口座から仕訳を切ると、相手勘定は「銀行」という勘定科目で切られます。

現金・預金・未払金などの補助勘定のようなイメージです。
なので、仕訳を切るときは片側だけとなります。
取引先から掛売の入金が入ってくれば、売掛金だけ切れば済みます。

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口座タブ

ここで使用している銀行口座・クレジットカード・Amazonなどを登録しましょう。
口座で登録できるものは、すべて口座から切っていくようなフローになります。

自動で経理でもいいと思います。
ここは完全に好みだと思いますが、私は口座から取引登録が好きですね。

ここで私がよくできているなぁと感心している点を少し書かせてください。

  • Amazonを口座登録すると、購入した商品が全部見れるのでそのまま仕訳が切れる。
  • Amazonをクレジットカードで購入していれば、口座間で消込ができる。
  • 銀行口座で取り込んだ残高と試算表の残高があっていなければ、
    タイムラインという機能でどこがずれているのかがわかる。

なんか銀行勘定合わせるのに四苦八苦していた時代が、
もう嘘みたいですよね。

こんな便利な口座機能ですが、クレジットカードは以下に注意です。

  • クレジットカードを同期させると、計上日が利用日になる。
  • クレジットカードは決済日と利用日に差があるので、
    月ズレが起きる可能性がある。(2月なのに1月の計上データが入る)
  • そうすると、締めたはずの月次がずれます。
  • なので、私はcsvインポートにして計上日をいじってます。

口座を使いこなせれば、もうfreeeの50%は使いこなせてます。
ぜひ使い倒してください!

タグの使い方

freeeには補助勘定という概念がありません。
その代わりにタグという機能があります。

設計についてはヘルプページが詳しいので、ここを見ていただくとして、
どうタグ管理をしていくかというのが論点になります。

これは使い手で様々だと思います。
私は例えば売掛金であれば以下のような設計にしています。

  • 取引先:請求先企業名
  • 品目:商材
  • 部門:担当部門
  • メモタグ:請求書番号

また、費用計上の際には「取引先」はブランクにしない運用にしています。
予算策定時や予実を見るときに、統一された軸がほしいからです。

取引先や品目やメモタグに情報が散らばっていると
加工するのめんどくさいんですよね。

かといって、交際費や忘年会の費用の際に
取引先に店名入れるのはやめたほうがいいと思います。

見たところで「いったい何の費用なんだ・・・」と頭を悩ますことになると思うので。

私はこういう場合、取引先に「チームビルディング」「忘年会」などを 登録して計上します。そうすることで用途が明確になるし、再現性あるので。

作成する目安は、以下をいつも考えてます。

  • 使いまわせるか
  • 情報をサマれるか
  • わかりやすいか

大事なのは、どこの粒度で何を管理したいかだと思います!

請求書の処理(債務の方)

もし導入するのがエンタープライズ版だったら、
支払依頼の使用をお勧めします。

ただそうでなければ、ファイルボックス連続取引登録を使用した処理がいいと思います。

請求書を全部freeeのファイルボックスに取り込んで、
連続取引登録で請求書をエビデンスとして紐づけて処理をするのが一番早いのでないかと。

連続取引登録を使用すると、括りが「買掛金・未払金」と
アバウトになっていることが分かると思います。

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これもfreeeの特徴の一つです。
freeeは勘定科目を設定する際に、相手科目は何を切るかという設定が必要になります。

なので、原価項目だったら「買掛金」、費用だったら「未払金」と設定してあげる必要があります。

おそらくfreeeが複式簿記ではない、っていうのは
この設計からくる誤解だろうと思います。

FBデータも自動で作れる

月末払いなど、大量の支払いを行う場合、FBデータを数クリックで作れます。
レポートから買掛レポートへ飛んでください。

ここで大事なのは、取引で仕訳作成する際に期日を合わせることです。
ここさえ間違えなければ、そんなに難しい処理ではありません。

ちなみに消込も一気にできます。

請求書の作成方法(債権の方)

freeeは請求書の作成ができます。
freeeで請求書発行に寄せることが可能であれば寄せたほうがいいと思います。
売上計上・消込作業が一気に楽になるので。
また売掛レポートにつながるので年齢表も簡単に作れます。

ここはリンクしたヘルプページを見ればいけると思います。

ちなみにスタプラは現在、freee for SFAで
セールスフォースとの連携をしている最中です。

これについては軌道に乗ったら別途記事にしたいと思います。

前払費用の振替に便利な「+更新」機能

経理をしていると、前払費用の振替を忘れてた!みたいなことを
やらかした人は少なからずいると思います。

そんな時に「+更新」機能が超便利です。

私はこの機能を使って、1年分の前払費用が発生した時などは
あらかじめ登録して自動計上させてます。

地味な機能ですが重宝してます。

振替伝票を使用するデメリット

冒頭で振替伝票をなるべく使用しない、という説明をしましたが
なぜかと言いますと、振替伝票はこれまで説明した買掛/売掛レポート、+更新などの便利機能が使えなくなります。

せっかく作業効率をよくしようとfreeeを導入しても、
全て振替伝票で切ったらただの記録デバイスになり果てます。

ですので、振替伝票を切るのは以下のケースに絞ったほうがいいと思います。

  • 口座と関係ない大量のインポートデータを入れたいとき
  • 未着請求書の概算計上(accrual)を入れるとき

詳しくはこちらを参照してください。

support.freee.co.jp

固定資産台帳とか在庫棚卸とか

freeeには固定資産台帳があります。
月次で減価償却費を回せるので非常に便利ですが、
以下の難点がありますので使用時にはご注意を。

  • 仕訳と紐づいてないので、TBとの整合性をチェックする必要がある。
  • 償却資産税の申告書は作れない。
  • データをインポートすると登録年度の月次償却が回らない。

在庫棚卸は・・・正直まだ運用に乗せるほどの機能はないです。
気になる方はこちらをどうぞ。

support.freee.co.jp

最後に

長くなりましたが、基礎編で語りたかったことは以上です!
何か不明点あればtwitterでDM等いただければ!