一人目の経理になったらやるべきこと(売掛金編)
目次
チェックポイント
今回からB/S項目に入っていきます。
今回の範囲
売掛金には魔物が住んでいると、
経理担当界隈では言われるくらい悩んでいる会社が多くあります。
会社によっては売掛金担当や売掛金チームがあるくらいに、
なかなか厄介な奴です。
その厄介な奴をどう修正して管理していくのか、書いていきたいと思います。
to do①:当期の売掛金を取引先別に消し込んでみる
売掛金はとりあえず手を動かくことが大事です。
あなたがもし期中で入ったなら、当期の期首から現在までの売掛金を
取引先別に消し込みをかけていきましょう。
何で消込かければいいかって?!Excelだよ!
ここで、きれいに消し込めて残高がゼロ、
もしくはあるべき請求書残高だけ残っているものはOKです。
しかし、すべてがそううまくはいかないはずです。
消込がうまくいかない取引先は第2段階に移行させます。
to do②:取引先ごとに個別に見て、消込できない理由を探る
to do①で消込がうまくいかなかった取引先は以下のどちらかで躓いているはずです。
- 売掛金の計上がおかしい
- 入金金額がおかしい
たいてい、計上が間違っているのですが、入金金額がおかしい場合もあります。
計上サイド・入金サイドの両方の側面からチェックしていきます。
ここでも例のアイツが大活躍です。Excelですね。
使用する元データは以下が必要になります。
- 請求書データ
- 請求書発行に使った受注管理表など
- 入金データ
これらの資料と総勘定元帳を突合をかけていき、あるべき残高を探っていきます。
それをまとめると以下のキャプのようになります。
消し込んだ数字はハイライトを変えるなど、涙ぐましい努力がされています。
あ、ちなみにこれは実際に私が管理している数字ではないです。
ちゃんとフィクションの数字にしております。
このような作業をto do①でエラーがあったものを最優先で作成していきます。
私もスタプラで上記作業を行ってきちんと売掛金の掃除をしました。
データは80Mに上り、途中でExcelが壊れましたが…w
他の企業でも、大体同様の作業をして売掛金をクリアにしてきました。
いったんきれいにしてしまえば、売掛金の管理なんてそう難しくはありません。
to do③:売掛金の年齢表を作る
売掛金のあるべき残高を追っていく過程で、
未入金の請求書、ありませんでしたか?
そう、いわゆる遅延売掛金です。
こいつの厄介なところは時が経てば経つほど、回収可能性が下がることです。
to do②が終わったらすぐさま遅延売掛金のリストを作り、
営業へ督促をかけるように働きかけましょう。
完全に蛇足ですが、私はこの督促を営業が拒んだため、自分で債権回収を行った経験があります。
ちなみに売掛金年齢表は以下のような感じで作ってます。
遅れのところは単なる引き算で出ます。
売掛金年齢表は鮮度が命ですので、できれば週1、少なくとも月1で更新しましょう。
で、絶えず経理から発信することが大事です。
債権回収は誰もがやりたくないので、うっかり後回しにされがちです。
ただ、後回しにされると、回収できず、貸倒債権になってしまいます。
ちなみにこの年齢表を基に年度末に貸倒引当金を計上しますので、
結構重要な表になっていくのです。
まとめ
売掛金は、こんがらがっていると修正にパワーがいるため、
経理サイドも敬遠する人が多いです。
しかし、時間が経つとどんどん取り返しがつかなくなります。
そして、方法論を知っていればそこまで難しくはありません。
どうにもこうにもダメだった場合は、最後の手段です。
入金金額に合わせましょう!
ただ、上記をやってしまうと、先方が間違っている場合、誤った金額で合わせてしまいます。
やはり可能な限り、正攻法であるべき残高を作成することをお勧めします。